虚無日記

ニヒリズム

アルバイトの話

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3月初め、大学四年生へとなる私は卒業論文や就職活動解禁などこれから忙しなくなる予感を胸に抱え、倦怠感と虚無感を引っさげてその日もアルバイトへと向かった。

 

 

40代の女店長は3連休を手に入れており、その日が連休明けの出勤となっていた。私は、40代女店長に軽く会釈をすると、金沢旅行へ行った次の日の人間とは思えないほどのアンニュイな表情で彼女はこちらをみていた。

 

私は深く考えた。もしかして怒られるんじゃない?なにがだ?三連休中?バイト中思いっきりうんこ座りしてたこと?もしくはバイト中思いっきりうんこ座りしてたこと?考えると動悸と気つけがとまらなかった。

 

 

三年以上着込んだ薄汚いバイト用エプロンを結び、おそるおそる事務所へ入ると、40代バツイチ女店長は私に座るように呼びかけた。

 

私の唇は真っ青だった。

 

しかし、40代バツイチ子持ち女店長が放ったのは、うんこ座りの件でもなく、ましてや叱責でもなかった。

私は、バイト先が今月いっぱいで閉店する、という趣旨を聞かされた。40代バツイチ子持ち元キャバ女店長は、今後のアルバイトの人たちの方針などをつらつらと伝えた。

 

 

三年と一か月、勤め回したアルバイト先はあっけなく閉店の日を迎えたのだった。

 

私は、倦怠感と虚無感、そして失業を早くも味わい、喪失感にもつきまとわれることとなり、就職とアルバイトをダブルで探す、ダブル就活マンへと堕ちていった。

 

最終日には、自店の社員、アルバイトがほぼ皆集まり閉店後のガランとした店内で余った酒を浴びるほど飲み、さながらそこはアナーキーな空間だった。テキーラを煽った大学生は泣き出し、一人づつ熱く握手を交わし、高校の卒業式より旅立ちの日にを熱唱した。

 

AM7時、睡魔と頭痛を抱えた脳に朝日が容赦なくどつきにかかってくる帰路はいつも、睡眠が10時間を超え、惰性で目をつぶっているときに見る夢の中のような心地だなぁと思う。顔面のファンデーションは油田のようにギトギトし、その反面唇は西部劇の初めにカラカラ葉っぱが一枚吹きすさぶシーンみたいにガサついている。

 

ちなみに10時からバイト先の閉店作業で出勤だった。

 

 

結局なにが言いたいかっていうと、人間は喪失を味わうことから逃れることはできないんだってことにしようかと思ったけど、やっぱり私だけ一生体洗わなくてもキレイな体質にならねぇかな〜〜〜〜!!!!!!!!!!!!ってことにします。

 

タコスタコス